「好きです! 付き合って下さい!」


「……ごめん、好きな人がいるから。
だけど好きになってくれてありがとう」



その言葉を聞いて涙ぐみ始めた女性を置いて俺はキャンパス内の食堂に向かった。



「お前、また告白?」


「……まーな」


「4月になるといっつも悠真の告白ラッシュだよな。
俺にも欲しーよ、その顔」


「んなもんいくらでもやるよ」



──大学3年、4月。


日和がいなくなってから4年ほど経った。



俺は教育学部のある大学に進学して、何もない日常を過ごしている。



日和は元気かな……。


俺は今でも日和のことが頭から離れられなくて、陰でひっそりと想っている。



「いや、しかしびっくりしたよ。
高校の時の志望調査、決まってないとか思ってたら既に決まってるとか」


「教師になりたいって決めてたからな」