「賭けで付き合ってた時はすっごい優しかったのに、偽物だったんだよね。
早く玉砕されたらいいのに!
麗奈ちゃんにはもっと良い人いるからね!」
ヤケになって、悠真くんの恋を応援するどころか、失恋するようにと祈る。
麗奈ちゃんも頷くかと思ったら、表情は硬くなっていた。
あれ、どうして……?
「……日和ちゃん」
「うん?」
今のは名前、呼んだってことだよね。
私は麗奈ちゃんの方を見て、静かに待つ。
『悠真のこと何にも知らないの?
悠真はすっごい優しいよ。』
「え……」
そこで麗奈ちゃんから聞いたのは、にわかに信じがたいもので……。
「────嘘だ」
全てを聞いた時、彼の本当の優しさに触れた時。
私の頭は空っぽになったかのように真っ白になって。
「……っ」
あなたの陽だまりのような笑顔に触れたくなった。
*
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