「悠真くんや、麗奈ちゃん、百香ちゃん、あかりちゃん。それだけじゃない、両親とか先生とか」
『友達はできたか?』
あんなにうざったいと思ってた先生は、先生なりに心配して言ったと思う。
優しさに飢えていた私は、心配としてその言葉を受け取れなかった。
「色んな人に優しさをもらって、優しさを知ったの」
優しさは簡単に貰えるものじゃない。
特に私の場合は簡単じゃないだろう。
耳が聞こえない、それだけで"普通とは違う"というレッテルを貼られる。
"普通とは違うから"優しくされたのはあった。
だけど悠真くんと出会う前は"私"に優しくする人なんか親以外いなかった。
私のために手話を覚えてくれた。
私と話すのが楽しいと言ってくれた。
だから、悠真くんのことは忘れたくても忘れられない人になってるんだろうなあ。



