「違うよ麗奈ちゃん」



百香ちゃんはどこかおかしいって勘づいてた。


悠真くんと少し話してしまえば、バレてしまった。



「私の耳に関しては、いつバレてもおかしくなかったと思うよ」


「……」


「耳のことを知っても友達でいてくれた時は本当に嬉しかった。だから、ありがとう麗奈ちゃん」


「……どうして」



涙で顔がぐしゃぐしゃで、正直何を言ってるかわからんない。


何かを訴えてるように見える。



首を傾げる私に、麗奈ちゃんはメモ帳に殴り書きした。



『どうしてそんなに優しいの?』



私が責めないのは分かったのだろう。


代わりとなる質問を投げつけた。



「優しくはないよ。去年とかに謝られても正直、麗奈ちゃんを責めてたと思う」



自分でもどうしてか、考える。


どうして、許すと思えるのか。


最初に浮かんできたのは悠真くんだった。



「……優しさに触れたから」