「行ってきます!」
「気をつけてね」
──1年後
私は高校最後の年を迎えた。
それももう慣れたことだけど、クラスのみんなは就職か社会福祉施設等入所・通所で迷っている。
そんな中で私は1年までは普通の高校の授業を受けてきたので、他の人よりハンデはあるけど、大学入試に挑戦しようと思う。
『おはよう』
「おはよう、杏奈、大輔」
私は杏奈と大輔と同じ特別支援学校に入ることになった。
みんな耳が聞こえなかったり、何かしらの障害を抱えている人たちなので、私の耳のことは当たり前のように受け入れてくれた。
「暑くなったよなー」
『私も暑い』
杏奈はより一層、口語の練習に力を入れるようになって、前より格段に口語で会話ができるようになった。