嫉妬心を振り払って、私は悠真くんに向き直った。
『実はね、学校を辞めることにしたの』
悠真くんの反応を気にしないためにも、私は後ろを向いて雨空を見上げた。
土砂降りに変わったけど、私たちは場所を変えなかった。
「勉強にもついていけなくなって、周りの視線がしんどくなって……全部私が弱いからなんだけど」
悠真くんが悪いわけじゃないからね、と心に秘めておくのは、悠真くんに少しだけでも私を騙した罪悪感を味わって欲しいから。
本当に嫌な人だなあ、と自分に嘲笑う。
「辞めることにしたから、一言でもお礼言おうかなって。だから、ありがとうって言ったんだ」
私は言いたいことを言い終えたから、ドキドキしながらも後ろを向いた。



