よかった、来てくれた。
『話って何?』
ささっと動かす手があの日より速くなってる。
……少しだけシュミレーションしただけだよね。
「……」
さっき学校を辞めることは伏せようって思ったけど……そうじゃないと話題ができない。
これは、話すしかない、よね。
『今までありがとう』
『突然どうしたの』
悠真くんはきょとんとしながらも、優しい目だ。
どうして、そんな顔をするの?
私はまだ……好きなんだよ?
他の女の子にもそんな目をしてたの?
くだらない嫉妬が湧き出て、そんな自分が嫌になってしまう。
『言いたいことがあって呼び出したの』
──葉っぱに水滴が落ちる。
そしてそれは私にも落ちてくる。



