『日和ちゃんが恋をしちゃいけないって考える理由は分からなくもないけど、恋はしてもいいの!
悲しい気持ちにはなったと思うけど、日和ちゃんが大切なことを学ぶものだから!』
悠真くんに恋をして、たくさんの幸せや優しさをもらったことまでは否定するな。
そう言われたような気がした。
『後悔はしてもいいけど、過去の自分を無かったことにしたらだめだよ。次に繋げられないんだから。』
高校生じゃとても言えないような言葉。
優しさというものを……ううん、それだけじゃないね。
悲しみ、絶望、悔しさ……色んなことを経験した人じゃなきゃ言えない言葉。
『私は逃げてもいいと思うよ。
後を決めるのは日和ちゃんだからこれ以上は何も言わないでおくね』
杏奈ちゃんはそう綴った後、
『ご飯食べたい!!!』
と手話で訴えたから思わず大輔さんとふたりで笑って、食事を取ることにした。
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