あなたの陽だまりになりたい



逃げる、じゃなくて笑うために……。



「……そもそも、私が恋をしたからこうなった話なんだけどね」



悠真くんに恋をしてたくさんのことを知った反面、自分がさらに弱くなった気がする。


恋をしなかったら、悠真くんと出会わなかったら、学校に行くことに対して嫌だとは思わないかもしれなかった。



「私なんかが恋をしちゃいけなかったんだよ」



場の空気をそれ以上悪くしないために、私はあえて笑いながら言った。



『恋をしちゃいけない人なんかいません!!』



すると杏奈ちゃんは大輔さんに訳してもらって、すぐにペンを取り出して、スラスラと書き出した。



『私は大輔に恋をして、私でも笑顔にさせることができることを知った。
ひとりじゃないことを知った、助け合える喜びを知った。日和ちゃんもその人に出会ってそう思ったんじゃない?』



……始業式、ひとりでいることに寂しさを感じたのはひとりじゃないということを知ってしまったから。