あなたの陽だまりになりたい



『高校って、進学校だよね?
授業って大変なんじゃない?』


『うん、最近ついていけなくなって……』


『僕も中学の途中までは公立に通ってたんだ』



そっか、突発性だから私と同じで話すことはできるんだ。


でも途中までっていうことなら、何かあったんだよね……。


気になることだけど、きっと良くない内容だ。


じゃないと、転校とかしないだろうし……。



「いいよ、どんどん聞いて」


「……?」


『気になってること、何でも聞いて』


「ありがとう」



杏奈ちゃんはメニューを見ながら、迷っているようだ。


決める間なら話してもいいよね、と思って私は大輔さんに遠慮なく尋ねた。



『授業についていけなくなったっていうのと、いじめられてね。補聴器を盗まれたりとかあったから』



サラッと告げたけど、とんでもないことじゃないの……?


補聴器ってとても高いものだよね。