私にできることは、彼の想いに応えること。 「……日和を頼むな」 私はその声に答えずに、背を向けて歩いた。 ──ひよちゃんをひとりにはしない。 それが私にできる唯一のことだった。 ひよちゃんがこんなにも想う理由がわかった。 これ以上、宮原以上に、 ひよちゃんを愛する人がいないからだ。 * *