翌朝、私は教室の前で立ち止まっていた。
もし、彼がクラス中にバラしてたら……そう思うと小学校や中学校の時の記憶がフラッシュバックしてすくんでしまう。
昨日、確かに頷いたけど嘘ついたり、思わず口を滑らせた可能性だってある。
だけど、いつまでも立ちすくんでるわけにはいかず、腹を括って入ることにした。
お願い、何もありませんように……!
そう心で祈りながら教室へ足を踏み入れると、普段と変わらない光景が広がっていた。
「……」
私に変な目線を向けるわけでもなければ、ヒソヒソと話す様子だって見えない。
彼も女の子と笑いながら戯れてるし……もしかして、秘密を守ってくれた?
そりゃあそうだよね、関わりたくないだろうし当たり前の対応だ。
私はとりあえず安心して、本を読み始めたのだった。