「……ここで食べよっか!
誰もいないし、春の風が心地いいし!」
一旦、教室から離れて人気の少ないところへいこうということになった。
あかりちゃんは中庭の木の下でお弁当を広げる。
一連の動作を見る限り、昼食場所は中庭のようだ。
「……っ」
中庭にはたくさんの思い出がある。
悠真くんのことだったり、ふたりのことだったり……幸せなことがたくさん詰まった場所。
もちろん、今は悠真くんの姿は無くて、ショックを受ける私がいる。
……バカだな、今でも悠真くんを好きでいるなんて。
あれは偽物なのにな……。
「……ひよちゃん?」
「あ、ごめん! 食べよっか!」
立ち止まったままの私は、ハッとしてあかりちゃんの隣で平らげたのだった。



