思い出に浸りながら、俺は冬空を見上げる。 「……日和」 今、君は教室で笑顔を見せない。 出会う前に戻ったかのように、またひとりになってしまった。 ……俺たちは出会わなければよかったかな。 だけど、この気持ちだけは否定したくなくて。 君の見えないところでいい。 せめて、君だけを守らせてください。 俺たちはあれ以来全く話すこともなく、そのまま高校2年へとなったのだった。 * *