日和のことを言いふらした奴はすぐに推定できた。
一刻も早く、この文章だけでも消さないと。
日和にだけは見られたくない光景だ。
「おい、れ「あ、天津さんが来たぞ」
早速、そいつの名前を呼ぼうとしたら、クラスメイトに遮られた。
え、日和……?
愛しい名前が聞こえて、ばっと後ろを振り向くと、顔を蒼白にさせた日和が確かにそこにいて。
「……っ」
一歩、遅かったようだ。
──日和を守れなかった。
『おはよう、悠真くん』
誰にもバレないように小さく手話で照れ笑いしながらそう言った日和を……。
俺は、好きな子……ただひとりだけすら守ることができなかったのか?



