「あの、良ければこの後どこか行きませんか?」
「……」
彼女は大人しそうな印象だから、そんな勇気あったなと感心する。
いつもなら「もちろん」と喜んで頷くところだけど、なぜかそういう気分ではなかった。
「ごめん、用事あるから」
俺はそれだけ言って、彼女に背を向けたのだった。
この時俺は気づかなった。
とはいえ、すぐ後に気づいたんだけどな。
足を止めたら、ある本屋の前だった。
俺は引き込まれるように、中へ入って行った。
俺は本を読むことはあまりない。
だから、本屋に立ち入ったのは数年ぶりだった。
とりあえず、あてもないし暇だったので、隅々までどんな本があるのか眺めてみる。



