俺の容姿は自分でも自覚済み。
だから、どうやったら上手く落とせるか何となくは掴めていた。
そして、高校に入ってからもそれを続けていた。
「高校記念となる1人目は簡単すぎたな」
「じゃあ、2回目。トランプで負けた奴な」
カードを配り終え、ゲームが始まる。
負けたのは俺だった。
「悠真かー頑張れよ。じゃあターゲットは……」
仲間のひとりがトランプの山の一番上のカードをめくった。
「ダイヤの1とクローバーの2。
掛けて2になるから、出席番号2番がターゲット」
それが日和だったんだ。
名前だけは知ってた。
いつも隅でひとり本を読んでいる。
俗に言うひとりぼっちってやつだ。
あれだろうな、ひとりぼっちのやつだったら優しくすりゃあ惚れるだろ、となんとなく方向性を考えていると、仲間に話しかけられる。