こんな幸せな時間はもうすぐで終わる。
『クレープ美味しい!』
『悠真くんイチゴのクレープ、食べる?』
クレープを買って、交換を提案したその時。
悠真くんの表情が、ある一点を見つめながらこわばり始めた。
悠真くん……?
何かあるのかなと思って振り返ると、同じ制服の男子が3人いた。
私は知らない人だけど、悠真くんは知り合いなのかな。
私は耳が聞こえないのもあって、あんまり他のクラスの人とかは分からない。
「よー、悠真! って隣にいる奴って……」
「日和、行こう」
「え……?」
珍しい、悠真くんが誰かを避けるだなんて。
この人たちと何かしてしまったのかな。
「ねえ」
肩を置かれて、私は悠真くんの知り合いさんの口元に視線を向ける。



