私は何かを買おうとは思わなかったので、本屋の前で待機することにした。
『おまたせ』
『ううん、この後どうする?』
『ちょっと休憩。あっち行こう』
指差した先はクレープ屋さん。
『私はいいけど、あなたは甘いの好き?』
『俺甘党なんだ。甘いの大好き』
「……」
『日和、どうした?』
甘党っていう日本語、少し違うんだよな……。
本来の甘党って、お酒が苦手な人のことを指すんだけど、悠真くんがお酒を飲むはずがない。
それは突っ込みべきか分からず、けど意味は通じるからまあいいや、と気にしないことにした。
『悠真くんなら甘いもの好きそうだなって思っただけ』
『そっか』
行こうと催促して、私と悠真くんは再び手を繋いだ。



