百香ちゃんはそんな私にノートを差し出した。
不思議に思って、百香ちゃんを見たら「読んでほしい」と言っていた。
私はノートを開いて、文字がぎっしり詰まっているページを見つける。
新品そうに見えるノートもそのページだけはしおれていた。
『すぐに謝らなくてごめんなさい。
遅くなったけど、私の自己満足に付き合って下さい。
思い出したくないと思うけど、話させて下さい。
日和が耳が聞こえないばらしたのは、麗奈なの。』
相手が予想できたけど、やはりショックだった。
そっか、麗奈ちゃんか……。
次の文章で、驚きはしたけど納得いった。
『麗奈は中学からずっと悠真が好きだったから、悔しかったと思うの。
日和と悠真の写真が出回って、麗奈がすぐにメッセージで言っちゃったの。
私はその時麗奈の隣にいたのに、止めることをしなかった。
友達として、それはしてはいけないと止めなきゃいけなかったのに、それができなかった。
麗奈ももちろんだけど、私も共犯だから日和に謝りました。
本当にごめんね。 百香』
何度も書き直した跡があった。
百香ちゃんの気持ちがそこに表れていた。



