付き合うようになってから、毎朝悠真くんが私の家まで来て一緒に学校に行くようになった。


もちろん、周りに知らされることにもなるけど、耳が聞こえないこととかバレてるので、開き直っていた。



だけど、


『悠真に近づくな』


下駄箱の中に入っている手紙……というよりルーズリーフを切ったような紙切れ。


こんな私が悠真くんと付き合うのを納得いかない人が多いのか、表向きにはやらないけど陰でいじめる……陰湿なできごとが相次いでいた。



「日和」


肩をとんと置かれて、私はハッとする。



「えっと、どうしたの?」



慌てて紙をしまって、悠真くんに笑顔を向けた。


悠真くんには話していない。



これまででもたくさん迷惑かけてきたのに、さらに迷惑をかけるだなんてことできない。



「靴履き替えたなら行こ」


「……うん」



悠真くんは私の迷惑なら大歓迎だって言ってたけど、それじゃあ私が嫌だ。


悠真くんのことは絶対に迷惑かけないから。