-翔side-


___12月24日。


今日は、晴れているがとても厳しい寒さだ。


ふぅーっと吐いた真っ白い息で、それを実感する。


俺は、緋奈の家のマンションのエントランス前にいる。


今日は、緋奈の16歳の誕生日。


俺が家まで迎えに行く約束をした。


今、メッセージで着いたことを報告したから、もうすぐ来るだろう。


…なんか、変に緊張してる。


付き合うことになってから、休みの日に会うのは初めてだから。


テストが近かったってのもあって、会ってなかったんだよな。


緋奈は勉強熱心なタイプだし。


初めての休みの日のデートが、誕生日祝いとクリスマスってことだ。


緋奈にとって、いい1日になるといいな。


…それにしても寒い。


両手をジャケットのポケットに突っ込んだ。


その時、後ろから聞き慣れた高い声が聞こえてきた。



「翔くんっ!」



呼ばれた方へと振り返ると。