「俺さ、実は緋奈に告ったんだよな。文化祭の日に。」



優介から突然そう言われて、俺は目を見開いた。


そしてその言葉で、文化祭のあと中村の様子がおかしかったことに納得した。


…なるほどな。



「へ、へぇ。」



俺は平静を装ったつもりだったけど、多分できてねえ。


告白の返事はどうだったのか…優介の表情からは全く読み取れねえ。


だけど意外にもあっさり優介がまた口を開いた。



「まあ…フラれたけどな。」


「は…?」



…まじか。


優介と中村もなんだかんだで仲良くしてたし、ふたりきりになっていたりしてたのに…フラれたってのは、少し意外だった。


じゃあふたりは、付き合ってないわけだ。


俺は優介にバレない程度に安堵した。


友人がフラれて傷ついているだろうに、安堵してる俺は嫌なやつだ。