【短完】だからどうか笑ってて

目の前は、いなくなった彼女の空きスペース。

やはり、残される者の立場は悲しい。


だけど。それは、心は一生知らなくていい事だ。


心は、新しく好きになった男と幸せになればいい。

俺はもう、残すことしか出来ねぇから。


「なんでよりによって、俺が病気なんだよ。

しかも、明日から隣県で入院って……。」


もう二度と、心に会えることは無い。

だけど。

もしも、また、会えるのならば。



望んでもいいだろうか。



「他の男の隣なんかじゃなくて、俺のそばにいてよ」

口に出して言うことは、許されるだろうか。


雨音が完全に無くなって、窓を見れば、


大きな虹が、空へと掛かっていた。


『翔真!』

どこかで大好きな君の声が、聞こえた気がした。








終。