そう言われてしまえば会話なんて続く筈がないのだが、唐突に、隣にいた神楽君が口を開いた。
「透佳さん?は、何してる人?」
ギョッとして隣を見ればニコニコと笑顔。
西君の時もそうだったが、人に対して一切物怖じしない。これがどんな人とも仲良くなってしまう要因だと思われるのだが。
神楽君は彼が何かを言う隙も与えることなく、続け様に言った 。
「つーか、この辺にある大学の帰りでしょ?当たり?」
あまりの事についていけず、神楽君の顔にニィッと大きな笑みが作られる瞬間だけを見ていた。
何故大学生だと分かったのか。そしてこの辺には大学等なかった筈だ。
透佳さんを見れば視線を一瞬下に向け、少し考える素振りをしていた。
「……――やっぱり最近の高校生は怖いね。目敏い」
ハッキリとは言わないが肯定だろう。純粋に驚きを隠せない。
「何で?」と聞く前に、今度は別の声に遮断された。
「あれ?祈?」


