海に来てよくよく見ていると、別クラスの千代の友達が混ざっている始末だった。どうやら途中で自棄になって誰彼構わず誘ったらしい。

なので夜の海にも関わらず人の声が騒がしい。

少し前までは私も一緒に混ざっていたのだが今は離れた所で一人花火をしている。

目線の先には千代と千代の中学からの友達らしい子。


「――……」


モヤッとするのと花火が消えるのが同時だったか。そんな事はどうでもいい。ただ……


「祈ちゃんもしかしてつまんねー?」


ただ、何で孤独感を感じてしまうのだろう。


「ううん……」


神楽君に否定の意味と、いらない思考を取り除く意味で首を横に振った。

いつのまにか神楽君が隣に来ていたらしい。


「そんな事ないよ。遊び疲れたからちょっと休憩ー」


疲れてなんていないのに、バレないと信じて言い訳がましく取り繕ってみせる。

神楽くんは「ならいーけど」とやはり笑い、私が適当に花火の束から持ってきた一つを手に取り火をつけた。

青色の火花が散る。それを見たのは一瞬で、後は千代の方をチラチラ伺っていた。

伺った所で何も起きなどしないのに。