彼の手から勝手に包帯を奪い、ハンカチの上からグルグル巻いていく。この程度の処置にも慣れていない為に少し手間取った。目先は手だけを捉える。
指が長い。骨っぽいよりも、ただただ細い。また要らない情報を切り取った。
「アンタ見た目と中身、違うね」
「そんな事ないですよ。もしくはギャップってやつです」
「ふぅん」
「おにーさん年は?」
「21とかそこら辺」
妙に曖昧だ。教えたくないのか、歳を数えたりしないのか。いいや、どちらでも関係ない。
「私、今日で16です。5歳差ですね」
さあ、ここからどう出るか。
試すように、下から彼の顔を覗き見た。
「――……悪いけど未成年に興味は……なくもないけど、アンタ何か企んでるから関わりたくない」
「……」
こう来たか。
彼はちょうど包帯を巻き終えた瞬間、手を払った。


