どうしてここで泣きたいような気持になってしまったのか。

散々酷い事も言ったのにそれでも形を変えてまで傍に居てくれる、その優しさが嬉しかったからなのだろうか。

賭けるだけの私にそんな信頼を提示するだなんて。

それでも、恐ろしくなってしまうぼどの優しさより心地よいのだ。


「だからさ、二人で悪い事の計画でも話合おうよ」

「……そうだね。放課後だけ」

「あらら、やっぱそこは良い子であるんだ?」

「そうだよ。もうサボったりなんてしないし」

「あ、そーー……ま、とりあえず共犯者は共犯者らしく、二人で逃げよっか?」

「は?」

「千代が怒りに来るから逃げるが勝ちってね!!」

「わっ!?」



そう言って神楽君は私の手を引いて走り出したのだった。