それは明確な拒絶だった。

だがしかし、どうして。


「透佳さ……」

「俺、アンタの頭のおかしい所は好きだったけど、今のアンタは虫唾が走るほど嫌い」


問いかける前に、手を伸ばすよりも先に払いのけられる。

向けられた感情が良いものだった事など数える程で、馬鹿にされているような発言をされた事だってある。

しかし、今のこれは明らかな嫌悪感で恐怖すら抱いてしまった。私が最も恐れているもの。


「き、嫌い。って何ですか?それでも気持ちよくなれるなら何だって良かった筈です」

「そうだよ。でも忘れたの?来るものだって拒むって話。俺は女子高生犯して楽しんでるだけなんだよ。それが……」

「っ?!」

「こんなビッチみたいな女知らない」


振り向きざまにグイッと再び髪を引っ張られて彼の方に引き寄せられる。

先よりも力は強く、頭皮が痛んだ。

また、色のない冷たい目で私に向き合って吐き出す。


「俺が繋ぎ止めたかったのは、アンタじゃない」


また拒絶。

押して押して突き飛ばして、私から離れようとすらするのだ。


「つ、繋ぎ止めたかったって……透佳さんは一度だってそんな風に私を扱わなかったじゃないですか……!」

「そうだよ。アンタと違って分別は付いている。……付いてるつもりだったんだよ」


私の髪から手を離して今度は手首をとった。