それとともにぞわぞわと体中に擽ったさに似た感覚が走って、思わず口に手を持っていく。
そうしている間にも、もう片方の手は太腿を撫で始めて、僅かに吐息を漏らしてしまう。
それは間違いなく言いようのない悦びで、反射的に口角が上がる。
「っ……透佳さん……」
彼の名を呼び彼にもっと身を寄せようとして
「――気持ち悪い」
それは言葉によって制止された。
「え……?」
「どいて。俺に寄らないで」
そうして、手を動かすのすら止めて私を押しのけてソファーから降りてしまう。
訳も分からずに、僅かに乱れたスカートすら直さずに彼の後姿だけを目に映す。
彼は此方を見ない。


