「そうとなれば、私は透佳さんとは離れられませんね」
話に乗る様にクスクスと笑って見せて、彼の下腹部に跨る。
そうした所で、彼は興味なさ気に私の黒い髪が揺れるのを眺めている。
「……違うよ。俺が言いたいのはそう言う事じゃない」
「!!」
どうせまた、払われてしまう。そう考えての行動だったのだが、否定を口にして、揺れていた黒い髪を緩く引っ張り自らに引き寄せる。
反射的に引っ張られる方に私が近づいて行ったので、痛みも何もなかったのだが、こんな行動をとる事など一度だってなかったので驚いて目を見開いてしまう。
ほぼ彼に覆いかぶさるような形になって、目と鼻の先に彼の顔がある。
「……犬臭い」
「え?」
「アンタも他の男とヤるようになったんだね」
「!?」


