病的だと、自分でも思う。思ってもどうしようも出来ない。満たされない。

神楽君は私を気に掛けてくれる。きっと裏切りはしない。裏切りは出来ない。

それでも、以前より私の依存は格段に悪化した。

彼と居る時は目に見えないものは気にも留めなくて、彼だけを見ていれた。だって、彼と私の世界は殆どあの部屋で、二人で、完結するのだ。そこで完結して満足はしていた。

しかし、それが絶たれた今、急に目に見える物が増えたような気がするのだ。

こんな狭い教室、学校。それが自分の世界全てに思えて、どうしようもない焦燥感に駆られる。

そう、例えば、私の居ない所で、自分のクラスで神楽君はどう過ごしているのか。とか、“久住さん”にも変わらず人懐っこいような笑みを浮かべているのだろうか。とか。


満たされない。満たされない。


自分でどうにかしないと。頭では分かっているのに心がドロドロに溶けて救えない。


「――祈ちゃん、今日昼一緒に食べよ?」

「え!?今日神楽も一緒なの!?」

「はぁ?ちぃは西君とでも食ってくればいーじゃん」


そうやって溶け出す心を神楽君が塞き止める。そうしてまた僅かに悦びを覚えてしまう。

こんな事を繰り返して何処にも行き着けない。