どこいこう。何をしよう。今日は私の誕生日なのに、最低で最悪な日だ。
ママは、ママだけはまだ私を見てくれると信じていたのに。
「……――」
大人はそんな事しかしないのだろうか。そんなことして何になる。
気付けば私はラブホ街に足を踏み入れてしまっていて、慌てて引き返そうとした。
迂濶だった。迂濶すぎた。でも、私はそこで彼と出会った。
そうして目を奪われた。
もしかしたら、あの日、あの場に来るのは必然的だったのかもしれない。
私の生活を一変させるような、私に救いが出来るような、その出会いを、私はきっと待ち望んでいたのだ。
そして、知りたかった。家族の事を。
そして、半ば自棄だった。頑張った自分なんてどうでもよくなった。


