そんなものに私が耐えられるのか。いいや、体験などしなくても分かる。
想像しただけで体は震えて、恐怖を引き連れてくるのだ。
「っ、っ~~」
でも、だからってどうすればいいのだ。
彼が居ないと私は駄目になる。彼がいなければ私は私を保てなくなる。
でも、千代の事だって嫉妬してしまう位大事に思っているのだ。
どちらも取る事はそんなに悪い事なのか。神楽君にも千代にも迷惑をかけていない筈なのに。
考えて考えて、脳も体も麻痺してしまったようなその感覚。
それでも五感はきっちりと働いていて、静まり切った廊下から足音が一つ、いや、二つ聴こえて来た。
バタバタとした慌ただしいそれは此方に近づいて来ているようだった。
動かなければ。とボンヤリと脳が指示をした時。
「っ!?」
不意に男の子特有の力強さが私の体ごと引いて、神楽君はニィッと勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
そして……
「へっ!?ご、ごごめんなさい!」
「え、何何!?」


