神楽君はまるで私を嘲笑うかのように吐き捨てた。
「それを祈ちゃんが言うんだ?」
「!」
正論を突き付けられてグッと息を飲み込む。
今の私が何を言ったところで、効力など持ちやしない。
「僕はね、先に言うのも優しさだと思うんだ。だってそうだろ?こんな援交紛いのこと、いつまでも続かない」
「っ、そんな事してない!!」
思わずガバッと顔を上げて反攻する。
身も蓋もない言い方に腹が立ったのだ。何も知らないくせに。何も分かってないくせに。と。
だが、そんな私にまた冷たい瞳を見せる。
「いいや、してるだろ?世間的に見れば祈ちゃんと透佳さんの関係は咎められる事なんだから」
ふと、彼に最初に出会った時の事を思い出す。
私が脅しを掛けてまで関係を持とうと投げやりになっていた時の事。
そうだ。理解はしていたのだ。どちらが悪い、どちらが悪くない。ではなく、どちらが強いのかと。
私が泣き喚き責め立てれば世間は彼を糾弾する。そう出来ている。しかしそれは
同時に
「でも、祈ちゃんは何の覚悟もないだろ?性的な関係にありました。って正直に言う覚悟も、犯された被害者です。なんて言う覚悟も」
「っ~~?!」
私と言う存在を黒くしてしまう行為なのだ。
“いい子”を演じている私には相応しくない、明らかなばつ印。きっと、好奇で嫌悪な視線が私に集められる。


