「千代が気にしていても、祈ちゃんが透佳さんと付き合っていないならそれでいいと思った。そこまで関与しちゃ駄目だと思った。でも祈ちゃんは透佳さんとよく会ってるだろ?」
よく会っているが肯定も否定もしない。でも私が透佳さんと一緒に居るところを見たのはたったの二回だけのはず。
なのに、神楽君はよく会っていると言う。何故か嫌な予感がする。
「千代の大事な友達が、あの人といちゃ駄目なんだ。ただの知り合いだけならよかった。でも頻繁に会ってんなら千代の邪魔になるかもしれないから。千代に知られちゃ、駄目なんだ」
まるで一人言のように、暗示をかけているように呟く。
怖い。ただそれだけしか神楽君に感情を抱けなかった。嫌な予感の回答が私に向けられる前に離れてしまおう。
そう、思ったのに
「祈ちゃん、透佳さんの代わりなら僕がなるからあの人から離れて」
「っ、」
その前に手首を掴まれた。
「大丈夫、上手くやるよ。祈ちゃんが望む事、望むように、何だってするから」
「何言って……」
「お願い……お願いだから」
まるで祈るように。すがるように。神楽君は私の手を握り項垂れた。


