さっきは言葉そのまま受け取ったが、裏にあるのは“嫉妬”と同意義の感情だと信じたい。
嫉妬するほど私を見てくれている。今なら、私をちゃんと見てくれる。
「――……透佳さん」
半ば四つん這いのような姿勢で彼に近づき頬に触れて、首筋に触れて。息を吸った。
重なるそれとそれ。彼は微動だにしなかった。
目を開けばすぐさま目が合う。
「はっ……」
心臓が早く鼓動する。全身の血管が早くめぐっているようなそんな感覚。体が熱い。彼の肌よりも熱い。熱に犯されていく。
高ぶった感情に短く息を吐きながら、私は多分初めて自ら、セーラー服のスカーフを解いた。彼がいつも最初にほどく場所。
合図をするようにチロッと舌を出せば後はされるがまま。
ズルズルとその行為に堕ちていくだけ。


