学校が始まってから、数週間、彼の家には行ってない。連絡もしていない。

何となく、しずらい気持ちはあった。彼に会いたいとは思う。連絡もしたいと思う。なのに。


「うー……」


今日もまた、画面とにらめっこして唸る日。どうせ、彼は此方に連絡の1つも寄越してくれない。忙しいのか、それとも……


「祈ちゃん、眉間にしわ寄ってんよ?」

「え!?嘘っ!?」


バッと額に手を宛て隠す。神楽くんと目が合えばクスクスと笑われてしまった。


「考え事?」


唸るよりも前に、人と一緒にいるのに別の事考えているのは失礼だ。と、そこでようやく気付く。

「違うよ」と言えばいいものを、私は敢えて試した。


「何考えてたと思う?」


挑戦的に。彼にいつもするように。答えられはしないだろう。答えられた方が驚きだ。


「んーー……さすがに わかんねぇかな」


ほら。