何かが欠けてる。私はそれを考えた。

欠けていると言うことはそこが無くなっていると言うことなので、考えても分かる筈がない。

彼はそんな私を他所に、ベッドから立ち上がりソファーへと移動し、また横になった。


「アンタが嫌がってるの知っててもするのは、後々本気で感じてても、ずっと無理矢理犯してる錯覚がして興奮するからだよ」


そんな危ない事を言ったかと思えば


「ほら、アンタは何も言わない。欠けてる」


と言った。

それ以上彼は発しようとしなくて、私もまた発しようと等とは思わず、その日は帰る事にした。

確かに私は何かが欠けていて、そして何かが欠け始めているのかもしれなかった。