『馬鹿みたい』
足を見て自分自身の姿に呟き掛けた。
彼の言うそれとは違うのだろうがどうだっていい。
ただ、やけに引っ掛かっていた。
「何を馬鹿にしたんですか?さっき」
一字一句噛み締めるように言うと、透佳さんは徐に屈み込んだ。
「子供っぽいなって思っただけ」
誰が。そう聞こうとして止めた。愚問だ。
感情までも読まれてはいないだろうが、間違いなく私も含めあの場に居た誰かの様子に投げ掛けた。その事実だけで十分なのだ。
「っ、」
ふと、唐突に足首が撫でられた。
「痛い?」
「……心配、してくれてるんですか?」
「さあね」
素っ気なく言われる事から感情は測れない。
けれど、見捨てたりしない事は彼の行動からよく伝わるのだ。
きっとそれは私がよく分かっている。


