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家に着き、中へとつながるドアを開けた。


今の時間は誰もいないので、クラスメイトふたりを連れてきても騒動にはならないだろう。


ほっと心の中で安心しつつ、千尋と雨宮くんを部屋へと案内する。


直美以外のクラスメイトを家に連れてくるのはたぶんはじめてだと思う。


部屋に向かってる間、私の家にはじめて入ったふたりは興味津々な様子であたりを見まわしている。


ちゃんと私のうしろについてきているようだけど、家に入ったっきり会話がないから内心ヒヤヒヤしている。


部屋の前のドアノブに手をかけ、少し開けたところでふたりに体を向けた。


「ここが私の部屋。入って」


ふたりが階段を上りきり、部屋の中に入ったタイミングでドアを閉めた。


部屋に入ってからもふたりはキョロキョロと周囲を見ている。


だけど、『水月夜』に気づいてはいない。


『水月夜』をふたりに見せる前に、適当に話でもするか。


ふぅ、と息を吐いて、ベッドの近くのソファに腰をおろした。