慌てて会話に加わった私の言葉が響いた瞬間、さらに驚きをあらわにした雨宮くんがバッと勢いよく顔をこちらに向けた。
「か、柏木の家にもある⁉︎」
「ま、まだ確定っていうわけじゃないよ! 同じような絵があるってだけ!」
両手を顔の前で振って、なんとか雨宮くんを落ち着かせる。
さっと表情を戻して安堵の息を漏らす雨宮くんをチラッと見た千尋が、私に耳打ちしてくる。
少し心配そうな顔をしている。
「ねぇ梨沙、雨宮くんも家に誘うの?」
「うーん。どうしようかとは思ってるけど、できるだけ心配させたくないから誘わない」
それに、雨宮くんは『水月夜』という絵を知らないだろう。
『水月夜』を知らない人を誘って見せてもその人の混乱を招くだけで、メリットはひとつもない。
だが、そう思ったと同時に雨宮くんが私の肩に手を置いた。
「柏木、俺にもその絵を見せてくれないか」
「えっ、でも……」
「同じクラスの子が悩んでるのを放っておけない。頼む、連れてってくれ」
少し困惑した顔で千尋に視線を向ける。
千尋は小さくうなずいている。
千尋の表情を見て、放っておけないなら仕方ないと思い、雨宮くんの頼みを渋々了承した。
「か、柏木の家にもある⁉︎」
「ま、まだ確定っていうわけじゃないよ! 同じような絵があるってだけ!」
両手を顔の前で振って、なんとか雨宮くんを落ち着かせる。
さっと表情を戻して安堵の息を漏らす雨宮くんをチラッと見た千尋が、私に耳打ちしてくる。
少し心配そうな顔をしている。
「ねぇ梨沙、雨宮くんも家に誘うの?」
「うーん。どうしようかとは思ってるけど、できるだけ心配させたくないから誘わない」
それに、雨宮くんは『水月夜』という絵を知らないだろう。
『水月夜』を知らない人を誘って見せてもその人の混乱を招くだけで、メリットはひとつもない。
だが、そう思ったと同時に雨宮くんが私の肩に手を置いた。
「柏木、俺にもその絵を見せてくれないか」
「えっ、でも……」
「同じクラスの子が悩んでるのを放っておけない。頼む、連れてってくれ」
少し困惑した顔で千尋に視線を向ける。
千尋は小さくうなずいている。
千尋の表情を見て、放っておけないなら仕方ないと思い、雨宮くんの頼みを渋々了承した。



