水月夜

『たぶん、恭平はこう考えたのよ。『水月夜』を呪われた絵として噂を広めていけば、自分が疑われることはないってね』


マリコさんの今の言葉を聞いても、なにを言いたいのかよくわからない。


そう思ったとき、首に食い込んでいたロープの結び目が少しゆるんだ。


ふさがれていた気道が少しだけ自由になる。


声も出せられる。


「い、言いたいことがよくわからないんですけど……」


『……『水月夜』が1日先の未来を予言する呪いの絵となったのは、恭平のせいよ』


「えっ……?」


久保さんのせい?


なんで久保さんのせいなんだろう。