私が苦しみながら問いかけた言葉に、女の人はまたきれいな声で答えた。


『私は、かつてここに住んでいた室谷マリコよ。呪いだとか1日先の未来を予言する絵だと江並で噂になっている『水月夜』の作者よ』


この人が、マリコさん……。


イメージしていた姿より、ずっときれいな人だ。


『水月夜』の作者だとは思えない。


思っていることを口にしようとするが、ロープが首に食い込み、なかなか言えない。


あなたは、私のように『水月夜』が不気味に見える人や親、自分をけなした人を恨んでいるの?


心の中でそう言ってもマリコさんに伝わらないのはわかっている。