手を差しのべてくれるわけがない。


そう思った直後、さらに首を絞められた。


く、苦しい……!


これ以上首を絞められたら死んでしまう。


また、『水月夜』のとおりになってしまう。


だけど、もう『水月夜』のとおりにはさせない。


今朝見た絵には、私がロープで首をつっている様子が描かれていた。


今は『水月夜』の風景どおりになる直前。


私がロープで首を絞められて死ぬ前に、なんとしてでも呪いを解かないと……!


ギュッと目をつぶりながらそう思ったとき、近くから誰かの声が聞こえた。


『許さない……』