だって、そのなにかであるロープが、私の首にシュルシュルと巻きついたから。


瞬間、首がきつく絞められ、呼吸の気道がふさがれた。


体が天井近くまで持ちあげられる。


突然の出来事に、久保さんと言い合っていた雨宮くんが目を見開いた。


「梨沙‼︎」


雨宮くんが私の体を床上に降ろそうと必死に手を伸ばすが、私の足もとには届かない。


聖奈と天馬くんも、なにか方法がないかと慌てている。


ただ、久保さんだけはなにもしようとせず、私をじっと見あげるだけだった。


今の久保さんは私を助けてくれない。


私に死んでくれと言っていたから。