はたから見れば、久保さんのほうが余裕があるように思える。


そう思いながら、聖奈と天馬くんのほうに目を向けた。


ふたりは、雨宮くんと久保さんの会話がはじまったと同時にあとずさり、私の隣まで来ていた。


「世の中には、あんな人がいるんだね……」


「まさに、自己中心的なやつだな」


ふたりは久保さんの本性に驚いているみたい。


今まで久保さんのような人に会ったことがないという証拠だ。


心の中でそうつぶやいたそのとき。


天井にある穴からなにかが垂れさがってきた。


それだけなら少し驚くくらいだが、そうではなかった。