水月夜

「仲よくなっていくうちに、マリコに惹かれていって、俺とマリコは付き合うことになった。お互いの夢が叶うように祈るって約束をしてね」


「夢……?」


「あぁ。マリコは画家になること、俺はイラストレーターになることが夢だったんだ」


久保さんの夢は、イラストレーターになることだったのか……。


「実際、久保さんはその夢を叶えたんですか?」


「うん。ただ、本格的にイラストレーターとしての仕事が入ってきたのは、専門学校を卒業したあとだったけど」


「…………」


「俺の夢は叶ったけど、マリコは両親に画家になることを反対された」