危なかった。
あやうく『な、直美の好きな先輩だ!』と言いそうになった。
慌てて言い直す私に、緒方先輩は首をかしげるが、それ以上の追及はしなかった。
そのことにほっと胸を撫でおろし、目をそらした先輩の横顔をじっと見つめる。
視界に映る緒方先輩が魅力的に見える。
先輩がこんな容姿ならば、クラスの女王様的存在の直美も好きになるのは当然だろうと思ってしまう。
納得せざるをえない。
だけど、魅力的に感じる緒方先輩を見ても、私の心に恋愛感情が芽生えることはなかった。
親友の好きな人にほれてはいけないという思いもあるだろうけど、恋愛感情が芽生えなかったのはただ恋愛がどういうものかわからないままだったからだと思う。
なんて思っていると、緒方先輩が再び私に視線を向けてきた。
「柏木ちゃん、どうしたの? ボーッとしちゃって」
その声ではっと我に返る。
「緒方先輩、飲みものは……」
「もう買ったよ。次、柏木ちゃんの番じゃない?」
えっ、もう飲みもの買ったの?
あやうく『な、直美の好きな先輩だ!』と言いそうになった。
慌てて言い直す私に、緒方先輩は首をかしげるが、それ以上の追及はしなかった。
そのことにほっと胸を撫でおろし、目をそらした先輩の横顔をじっと見つめる。
視界に映る緒方先輩が魅力的に見える。
先輩がこんな容姿ならば、クラスの女王様的存在の直美も好きになるのは当然だろうと思ってしまう。
納得せざるをえない。
だけど、魅力的に感じる緒方先輩を見ても、私の心に恋愛感情が芽生えることはなかった。
親友の好きな人にほれてはいけないという思いもあるだろうけど、恋愛感情が芽生えなかったのはただ恋愛がどういうものかわからないままだったからだと思う。
なんて思っていると、緒方先輩が再び私に視線を向けてきた。
「柏木ちゃん、どうしたの? ボーッとしちゃって」
その声ではっと我に返る。
「緒方先輩、飲みものは……」
「もう買ったよ。次、柏木ちゃんの番じゃない?」
えっ、もう飲みもの買ったの?



