水月夜

苦笑いを浮かべながらそう思った直後、久保さんがツタが絡まった屋敷の中へと入っていった。


えっ……?


なんで屋敷に入っていったんだろう。


頭の中にたくさんの疑問符が浮かんでくる。


それは雨宮くんも同じだったようだ。


「……あの久保ってやつ、なんで屋敷に入ったんだ?」


「わかんない……」


私だって、その理由を知りたい。


だったら、久保さんを追いかけてみるしかない。


心の中でそうつぶやいたタイミングで、私は屋敷に向かって歩きはじめた。


「お、おい、待てよ!」


私の行動に雨宮くんが慌てる。